越後白山にて

 

 今年のこれまでの活動内容は、4月に総体一次予選大会で巻機山、6月に県総体で白山に登りました。そして8月 に杁差岳で夏季合宿を実施しました。
   4月の巻機山では、新体制男子3名で大会に参加し、雪上訓練を体験しました。ここで培った不屈の精神は一生 ものでした。その後は新たに女子1名が部活に加わり、登山部の革新を予感させる新年度のスタートとなり、県総体 に向けての新たな目標を定めました。 偶然にもその頃、OBの方々の湯の平温泉での清掃活動と 、今夏の飯豊山系 縦走計画のことを知りました。中でも、飯豊の話は私たちの活動意欲を増すきっかけとなりました。そのようなことに 励まされ、日々、文武両道を実践してきました。
   そして、6月、待ちに待った県総体がやってきました。場所は五泉市白山、難易度は初・中級の山とあり、昨年より は私たちも体力面で自信があり、より結果が出せることを確信していました。しかし、山はそんな我々を顧みず、 むしろ様々な難題を与え、私たちは予期せぬアクシデントに多々遭いました。これもまた山の厳しい一面であると 実感しました。そんな過酷な大会でも、毎年楽しみにしているイベントがあります。それは参加各校の生徒による 「闇鍋」です。各自が思い思いに持ち寄った食べ物(基本的にまずいもの)を煮て食べる遊びで、山での食物の 貴重さを誰よりも知る岳人ではありますが、唯一、遊びが許されるイベントということもあり、このひと時だけは 大勢の人が集まります。話をしたことのない人とも仲良くなる、夢のようなイベントであり、岳人の人の良さを再認識 できる場でもあります。ここに参加していつも思うのは「山に登る人に悪い人はいない」ということです。これは 紛れもない事実だと思います。
  話は戻って、県総体では、例年にないほどの成績を残すことができ、新発田高校のインターハイ行きも、そう遠く はないとわかりました。しかし、OBの皆さんが積み上げてきた栄冠には到底及びません。これからは後輩たちの 努力に期待する次第です。   県総体が終わると私たちにはすでに次の目標がありました。それは飯豊山系最北端の山、杁差岳に登頂することです。 夏合宿の内容が決まってくると、徐々に大きな山に登るのだという実感が湧き、 早く行きたいという思いが募るばかり でした。そして、すぐに夏合宿の日が来ました。初日雨で、予定を大きく変更して奥胎内ヒュッテでテントを張り、 翌日に出発しました。天候は曇りで、大変登りやすい山行でした。そして、3日目、いよいよ念願の杁差岳に登頂 できました。あの感動は今でも忘れられません。そして、これができたのも県総体を乗り越えたからこそだと思いました。 しかし、その一週間後、OB会の皆様の飯豊山系縦走計画が成功したという知らせを聞き、改めてその凄さを感じま した。
  こんな私たちではありますが、数多くの山行の中で「団結力の重要さ」を学びました。山に登ること自体が命がけ であり、そうして自然とお互いの命の大切さを理解し、生き残るためには、全員で力をあわせることが重要であると、 山は教えてくれました。
  今後、登山部の全員が日本、いや、世界中で活躍することを願っていますが、どんな苦しいことがあっても勇気を 持って立ち向かい、不屈の精神でそれを乗り越えることを誓い、活動報告とさせて いただきます。